先日神奈川御三家聖光学院の学校説明会に行ったときに「聖光学院2023年度入試問題のポイント」という冊子をいただきました。教科ごとに冒頭に出題者側の思いが色々書かれていたので、その内容のメモになります。
冒頭の校長先生のメッセージ
- 私学のスクールカラーが子供の性格に向いているかが最優先
- 入試問題はどういう力を身に着けてほしいかの学校のメッセージ
- 入試問題解説を見て学校の特色を感じ取って志望校選択の参考に
国語
- 「言葉」の問題をよく出題する
- 日頃から「言葉に関心」を向けているかを大事にする。
- どういう状況で「言葉」が使われるかも問われる
- 「言質をとる」⇒最後まで付き合ってもらうところまで理解
- 「昭和レトロ」のように小学生は体験していない言葉も、小説、映画、テレビで疑似体験して色々想像して欲しい。
- 知らないことに対して知る欲求を常にもって生活を送って欲しい学校の思い
算数
入試の狙い
- 入試には様々な力を要求される
- 計算
- 単純計算だけでなくミスを減らす工夫
- 情報整理の仕方
- 文章題
- 読み解く読解力
- 図や表を使う整理能力
- 結果を予想する推理力
- こういう力を養うのが算数&数学
- 計算
- 科学が急速に発展する現在、算数数学を科学の言語として、物事のみかたや行動の仕方の哲学として学ぶことがますます要求される
- そのためには「飽きっぽい」のはNG。
- 手を動かして情報を整理して色々悩んで疑問点はそのままにしないで先生に質問して自身が納得する習慣が大切
- 自分の算数センスにおぼれて地道な努力を惜しむと中学でつづかない。
- センスをカバーする粘り強い子が将来性がある⇒粘り強く頑張る子が「勉強してよかった」と思える入試問題にしている
問題の出題傾向と対策
- 2023年の構成は数の性質・場合の数・比・速さ・平面図形・立体図形
- 大問4つ小問1の計5問
- 最低1問は作図を入れる。いい加減な図だと減点対象。
- 解くまで過程が長い問題もある
- 粘り強さと丁寧さを測るので、途中でも部分点もある。
理科
- 理科の勉強は日々の出来事のなかでの「疑問」や「興味」から始まる。
- 自分の頭で考えるのが大切⇒「文章理解能力」を問う
- 他の人に伝えるのも大切⇒「文章表現能力」を問う
- 物事を理解するときに分かりやすくするため「図やグラフ」を書く
- 色々図やグラフを書いて自分の頭で考える習慣を。
- 数を重ねるとコツがみえてくる
社会
公民
- 公民は一問一答形式に変更
- 重厚な地理・歴史・教養にしっかり時間をかけてもらうため
- 時事的な用語、経済分野、憲法空欄補充
- GX:グリーントランスフォーメーション。正答率40%。
- 平日と休日で値段をかえる仕組みなど。
- 沖縄基地問題を出した
- 「賛成」でなく「容認」になっている理由を問う
- 基地を受け入れることで、経済効果や補助金交付があるところが解答の基本線。
- 字数や論理に破綻がなければ模範解答でなくても正解にしている
歴史
- 各出題問題の解説がメイン
- 日本人の人名に関する問題(元服、天皇に名字がない等)が出た
- リード文・表を読んで応用力を試す問題が出た
地理
- 小6の知識から直接答えが出るように問題を作っていない
- 「里山の自然環境」の問題が出た
- 問題文に色々ヒントがあるので、出題文と自身の知識をつなぎ合わせて正解を導きだして欲しいのが学校の思い
総合
- 昔は暗記学習が中心だが、今はネットですぐ情報がアクセス可能。
- 情報真偽を見極め分析する力が求められる
- 「交通事故件数」を素材に論理力を問う問題を出した
- 交通事故が多い地域の理由をグラフから読み解く問題が出た
- そもそも車が多い地域が多くなる。
- 運転の荒さなどはあまり反映されない
- 意図的に歪められた表グラフがあるので冷静に客観的に判断する力を問う
- 日常ニュースに触れているかを問うものも(暗記だけでない)
- 何故近年は交通事故が減っているのか?
- 交通事故が多い地域の理由をグラフから読み解く問題が出た
- そもそも車が多い地域が多くなる。
- 運転の荒さなどはあまり反映されない
- 今社会に求められる力を小学生にも試した問題を出した
おわりに
「試験問題は学校からのラブレター」と名言がありますので、親もしっかり恋文の真意を受け取っていきたいとオモイマス・・・(二月の勝者9巻もう一回読も)
2月の勝者 第9巻より
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