ビジネス書の名著で良く名前が上がる「失敗の科学」を先日読みました。参考になったところのメモになります。
- 購入した本
- 失敗は成長に不可欠
- 人は嘘を隠さずに信じ込む
- 出来事の原因はそんな単純ではない
- 難問は諦めず色々失敗して小さな改善を積み重ねる
- 犯人探しバイアス
- 失敗を受け止めるマインド
- 失敗と人類の進化
- おわりに
購入した本
イギリス『タイムズ』紙の第1級コラムニスト/ライターの書かれた本です。
リンク
失敗は成長に不可欠
- 失敗との向き合い方で進歩するかが決まる
- 医療業界(向き合わない業界)
- アメリカでは10人に1人が医療過誤で死亡か健康被害。
- 医療ミスを隠す業界。
- 医学生ですら「ミス」は「複雑な事態」と呼ぶように学ぶ。
- 航空業界(向き合う業界)
- ジェット機は100万飛行で0.23回の事故しか起きていない
- 兎に角失敗はデータとして共有される業界
- ミスの報告を処罰しない
- 10日以内に提出すれば処罰されない
- エラーレポートには操縦士が特定できない仕組み
- 医療業界(向き合わない業界)
- 失敗を隠すと進歩しない
- クローズドループと呼ばれる(失敗や欠陥が放置されたり曲解される)
- 失敗も経験しないと学習できない
- 失敗しない占いは200年ままり有意義な進歩をしていない
- 失敗が無いのは暗闇のゴルフ。球筋がわからないので改善しようがない
- 失敗によるフィードバックは道を示す明かり
- 失敗を活かすために必要なもの
- 失敗する学習チャンスを活かすシステム。
- 末端スタッフが組織へ報告できる雰囲気。
人は嘘を隠さずに信じ込む
- 失敗から学ぶのは困難なのは失敗してるのに「失敗していない」と信じるから
- 冤罪も隠される
- 人は過ちを認めるのは嫌い
- DNAの発明で沢山の無罪が証明されたが司法も誤りを認めたがらない。
- 失敗しても解釈を塗り替える
- 世界が滅亡を予言して滅亡しなくても、我々の力で救ったと解釈する
- 自尊心がある人ほど学びを妨げる
- 組織の上層部に行けば行くほど失敗を認めたくなくなる
- 間違った仮説をぬけだすには失敗することが一番早い
出来事の原因はそんな単純ではない
- 出来事は複雑なのに単純化することが多い
- スポーツ敗戦記事が良い例。複雑なのに「監督の◯◯のせい」と掻き立てるし、読みてもわかりやすい。
- 知識だけで実戦せずにビジネスをすすめがち
- わかっているから「やる必要は無い」と考える罠
- 「論理知識」と「実戦知識」が成長には必要
- ひたすら考えれば最適解が得られるというのは誤解。
- 考えるより、実戦してフィードバックから始める
- 「甘く響くもっともらしいこと」は疑うべき
- 血を抜く治療を妄信的に中世の医師は信じていた
- 「成功事例」「失敗事例」全体を見る観点が必要
- 反事実に目を背けるとフィードバックができない
難問は諦めず色々失敗して小さな改善を積み重ねる
- 色々失敗して小さな改善を積み重ねるのが大きな成功に
- アフリカへの教育援助の例
- 教科書を無償配布(英語が読めず失敗)⇒視覚教材にした(失敗)⇒害虫の駆除薬の配布(成功)⇒寄生虫が発育不良や無気力の原因だった
- 「自分の失敗を認める姿勢」と「失敗から学ぶ意思」がとても重要
犯人探しバイアス
- 数々の未知な状況に陥ったトラブルに対して、ベストに対応した優秀なパイロットでさえ、責められて自殺する事件が起きている。
- 脳には非難プログラムがある
- なにか間違いがおきると誰の責任か追求することに気を取られる
- 複雑な出来事も◯◯の責任だ直感的な結論にしがち
- 企業もなにかといえば非難にはしる
- 腐ったりんごのせいといえば企業イメージが損なわれない
- 実際社内ミスで責められるべきはせいぜい5%程度というデータも
- 罰則を強化してもミスは減らず隠されるので意味が無い。
- 「犯人探し」でなく「複雑さを受け入れる」のが大事
失敗を受け止めるマインド
- 失敗の受け止め方のマインドが重要
- 失敗から学べて成長する人
- 失敗は成長のために欠かせないと受け止める人
- 失敗は学習のチャンス
- 諦める判断を合理的に(恥ずかしがらず)行い、他のことに挑戦
- ベッカムは大量の失敗したフリーキック映像が浮かぶ
- 失敗から学べない人
- 失敗を自分に才能がない証拠としてうけとめる
- 失敗の理由を「才能」「知性」「適正(向いていない)」に求める
- 失敗は「不名誉なも」とみなす(日本は特にこの傾向)
- 失敗から学べて成長する人
- 現代社会では成功は一夜でできるという幻想が広まっているが、長い長い時間数々の失敗をしてたどり着くもの。
失敗と人類の進化
- 17世紀まで西洋科学の進化は一度とまった
- キリスト教に反するものは冒涜として処罰されていた。
- 「誤り:は災厄となり学ばれず、宗教的世界観は固定されていた
- 以下3つの質問にすべてNOなら学習していない証拠
- あなたは判断を間違えることがありますか
- 間違った方向に進んでいることを知る手段はありますか
- 客観的なデータを参照にsて判断のぜひを問う機会はありますか
- すべてを「失敗ありき」で設計するのが進化のプロセスを歩むコツ。
おわりに
題名は「失敗の科学」とアカデミックな香りがして重そうですが、中身はリアルに起きたトラブル事例をふんだんに扱っており、ハラドキの小説を読んでいるように楽しめました。
「失敗しないのは闇夜のゴルフでフィードバックできない」
が結構印象的なフレーズでした。