先日、マコなり社長の「人生で必ず読むべき本」に紹介されている「人は悪魔に熱狂する」を読んでみました。参考になったところをあれこれ振り返りたいと思います。
購入した本
人間は欲求にまみれた悪の側面が潜んでいるため、意思決定に偏りが生じて合理的でない選択肢を拾ってしまう点が幅広く紹介されていました。
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人は合理的ではない
- サラダマック(善=健康)はヒットしないが、パウンドバーガーは大ヒットした。「悪=背徳感」がヒットのカギ
- 合理性で人間の 50%しか見えない。残り半分の「悪魔」の感情があることを認めることが大事。
- 人間を熱狂に駆り立てるのは「善」よりも「悪」のほうがより重要な要素
人は強欲な存在
- 「食べ放題」システムが人気なのはまさに「強欲」の顔にマッチするため 。
- さらに周りが食欲が充たされ笑顔な集団にいるから、自身も自然と笑顔
- 元を取りたいと思うのは「損失回避」の心理バイアス。
- 牛丼の「特盛」メニューも強欲に合わせるため
- 大ヒット商品は欲に満たされない「不満」から生まれる。
- 不満は人間の欲望を広げる悪魔だが、企業が成長する天使。
- 今は機能価値が枯渇したので今は「情緒価値」で製品を売るところも。
人は怒る存在
- 「正論」を振りかざすと「怒る」
- グレタさんの強い口調で「温暖化対策をしなさい!」と「強制」されると、多くの人が「反発」したのもコレ。
- 間違ったジャッジにも「怒る」
- M-1審査員は皆独特な採点傾向だが、特定のだれかがよくないとレッテルばりされた。
- 判断プロセスが検証されず結論だけを聞いて「間違っている」と判断。
- 「男女差別」は怒られてない?
- 東京医大の女子一律減点に「理解できる」「ある程度理解できる」と答えた医師は合わせて 65%
- 「無意識バイアス:女性は男性と同じように働けない(決めつけ)」と「現状維持バイアス:差別はよくないが過去からそうだったから必要悪(容認)」によるもの
人は怠惰な存在
- 昭和の3種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)は楽したいから大ヒット
- でも食洗機は現在40%未満であまり普及していない
- 「贅沢品のイメージ」「夫や姑に遠慮」理由も。「さらに楽になる」のを、必ずしも良いと思わない人も多い
- 楽が全面に出すぎると拒否反応を起こす(食洗機=家事をサボっている)
- 受け入れやすい範囲内で「怠惰」を推奨する「気配り」が必要。
- 「負け組」「クズ」キャラが愛される
- 類似性バイアスによるもの。社会的強者はむしろ愛されにくい
人は言葉に騙される
- 「キレイゴト」は共感されにくい
- 「SDGs」に対して「よくわからないけど、どうせキレイゴトでしょ」
- 上から目線でトップダウンにやれといわれてても共感されない
- 感情は論理を超越するので、感情をゆさぶるストーリーが重要。
- 共感は企業活動で欠かせない要素
- Youtubeの自宅の生活動画が流行なのは、嘘くさい作り物の対局のため。
- 「煽り文句」は炎上する
- 「上級国民は逮捕されない」という極論に飛びつきやすい
- 「新しい言葉」は叩かれやすい
- 「AI美空ひばり」の炎上は、現状維持バイアスのため
- AIが仕事を奪うのも嘘。AIで逆に新たなタスクや職業も生まれる
- 「新技術」は「よくわからない恐ろしいもの」と判断してしまいがち
人は嘘に魅力を感じる
- 損すると分かってても売れる宝くじ
- 期待値は約半分だが、ドキドキワクワクに魅力を感じる。
- 主観的な考えを優先し、確率論に基づいた予測を行わない傾向を指す
- 確率に弱いのは悪魔がいる人間の本質(その心理を利用されている)
- ニセ科学の跋扈
- 客観的な真実を重要視せず、「確実に効果がある」という断定口調で人がひっかかる。
- 確信犯ではなく、研究者が無意識のうちにデータを誤って解釈する傾向もある。
- 信じたいものしか目に映らない
- 「フェイクニュースだ」と言って批判すればするほど、もともとトランプ大統領を支持している層は「バックファイア効果」により、トランプ大統領への支持をますます強めている。
矛盾に満ちているのが人間
- 占いは主観的な幸せのリード
- 曖昧で一般的な内容を、あたかも自分だけ当てはまると捉える。
- 占いは非科学的だが、信じた人が行動を変えて結果的に占いがあたることがある
- 人間は「客観的には他人より劣っている暮らし」でも、「主観的には幸せ」という矛盾を受け入れられる存在
- 「欲望まみれ」だけどそういう己は隠しておきたい。「頑張りたい」けど、「頑張りたくない」という矛盾に満ちている。
おわりに
悪魔というと「忌避する存在」と見られガチですが、「人に悪魔も同棲している」前提で考えないとモノはヒットしないし、人も動かないことがストンと胸に落ちた本だったとオモイマス。