6年くらい前に読んだ古い本なのですが、中学受験本として結構評価の高い本だったので巣篭もりもあって読み返してみました。ご参考になるように紹介したいと思います。
どんな人向けか?
「子供と遊ぼう」という題名の通り受検をポジティブに見た山あり 谷ありの生々しい受験体験記になります。中学受験を検討している方は勿論のこと、武蔵中学を目指す方なら問題の傾向なども踏み込んだ記載が多いので得るものは多いと思います。
また、エリート評論家の受験ノウハウ本のように「ああせい、こうせい」ではなく失敗も含めた受験を経験してきた実体験に基づく話しなので、ああせい本で食傷気味のときは、ちょっといい風になる本になると思います。
あらずじざっくり
学童が終わり公立中の不安から消去法から中学受験を目指し、日能研→個別塾→早稲田アカと転塾して、最終的には武蔵中学に合格するお父さん主導型の受験体験記です。
辛い受検イメージをお父さんが子供の個性を見極めて、塾や志望校を選んだり、子供のモチベーションを高めているところが特に参考になりました。
17章に及ぶ体験記ですが、参考になったところを①中学受験の考えと②トラブルイベントに分けてご紹介したいと思います。
中学受験の考え
中学受験は子供と遊べる
知的興奮の楽しさ
「人々が黄金を求めるのは何故か?」のような問題を親子で協力して解いていくサークル活動のような楽しさ
旅行先やツール選びの楽しさ
塾選びはゴルフのクラブ選び。志望校選びは家族旅行先の楽しさ。家族で文化祭、体育祭、学校説明会などにでかけて中学の特性をみつけ合うところを探す楽しさ。
過去問題をとく楽しさ
- 中学の特性を知りヤマを貼ってい楽しさ。
- 解いていると中学がどんな人を欲しがっているか見えてみる楽しさ。(生活の中の気づきや選挙のあり方など必要な常識が詰まっている良問が多い)
消去法での中学受検
以下のような公立中への不安の消去法
- 公立に良い先生もいるが変な先生がやっぱりいる。私立だと変な先生と当たる確率が2割に減る感覚。
- 一生懸命やっても手抜きでも先生の収入に差が出ない(競争原理が無いから堕落を生みやすい)
- 内申書に縛られるので先生に気に入られようとするバイアスが働いてしまう。
- 暴力の前に正しさも先生すら無力(校内暴力があった時代)
そのほかTipsメモ
- 学校説明会は条件の優遇など表に出ない情報が聞ける。
- 対立する概念が軸の文章題が多いので、人工と自然、西洋と東洋、全体と部分、時間と空間、精神と物資ココらへんの概念を理解しておくと有利。
- 授業態度の見学でも参考に(先生が寝ている子を放置しているなど)
- 受験当日は試験前の待ち合わせはご法度(どちらかが遅れるとどちらもやきもき)塾の激励会が朝にあっても行かないこと。
トラブルイベントについて
子供のスランプ対応
何で勉強しているのかという壁
- 大抵子どもたちはこの問いにぶつかってスランプになる
- 答え例「わからないところを分かるようするのが勉強だよ」
何でこの中学を目指しているのかという壁
- 著者は現場に答えがあるはずと何度も中学に言って、子供がふと見つけたものでで納得に至る。
- 「xx中学はxxくんがやりたいxxをずっとやっていられる中学だよ」という塾の先生のフォローも。
疲れの壁
- 著者は6年夏に伊豆の海で思いっきり2日間遊ぶ。(塾も体調管理は重要と容認)
転塾
①日能研→個別指導塾
「塾は成績が落ちるぞ落ちるぞと脅されながら勉強させられるところ。」という子供のコメントから。
②個別指導塾→早稲田アカデミー
個別指導塾の以下を見かねて転塾
- 全体の勉強計画や学習予定が無かった(管理している人が授業を見ていない)
- 具体的な欠点の報告が無かった
父母トラブル
- お互いのメンタル緩和のため相手の話はとにかく聞く
- 「もうちょっと受験のこと考えてくれよ」は全体言ってはいけないNGワード
小学校との付き合い方
- 中学受験を快く思わない先生がいるので自分からはいわない
- 小学校イベントをやることを迷わない(最優先の軸足と決め手おく)
・小学校は人生の勉強、塾は学力の勉強 両方必要と割り切る。
おわりに
残念ながら電子書籍化はされていませんが、ビジネス臭がしないピュアな本だったと思います。何かの参考になりましたら幸いです。
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